HOMEPick Up場所打ち杭の鉄筋かごとは?補強リングやスペーサーなど組立部品も解説

場所打ち杭の鉄筋かごとは?補強リングやスペーサーなど組立部品も解説

建造物の基礎を支える重要な役割を果たしている杭工事にはいろいろな種類があり、現場で地面を掘って製造する杭を場所打ち杭といいます。

ここで使用する鉄筋をあらかじめ組み上げたものは鉄筋かごと呼ばれ、杭を構成する重要な部位です。

場所打ち杭とはどのようなもので、鉄筋かごはどういった構造になっているのか部品構成を含めて紹介していきます。

 

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場所打ち杭の鉄筋かごとは

場所打ち杭は、建物の基礎となる杭工事のなかでも、現場で地面を掘削し、コンクリート打設して作られる杭をいいます。

このとき配筋に使うためあらかじめ組み立てられる鉄筋が鉄筋かごです。

場所打ち杭と鉄筋かごがどのようなものなのか詳しくみていきましょう。

 

場所打ち杭とは

場所打ち杭とは、現場で造成される鉄筋コンクリート製の杭です。

対して、工場で作られたものを現場へ輸送して打設する杭は既成杭と呼ばれます。

場所打ち杭は、打設する現場で地盤の掘削を行い、その後、鉄筋かごの配筋・建て込み、コンクリート打設といった工程を経て造成されます。

既成杭と比べると施工期間は長くなりますが、その分、サイズを大きくできるのが特徴です。

1000mmから、大きいものだと2000mm以上と既成杭ではなかなかできない太径の杭も作れます。

杭径が大きくなると支える力が強力になるため、建物の荷重が重い場合や支持層が数十メートルほどに深くなる場合には、コストを抑えられる利点があります。

 

鉄筋かごとは

場所打ち杭で配筋する鉄筋を事前に組み立てたものを鉄筋かごといいます。

杭の基礎になるもので、断面は円形をしており、組み立てると長い円柱のような形状になります。

鉄線を結束して作られるため名前通り、鉄でできた籠のように見えます。

場所打ち杭のような鉄筋コンクリート造では鉄筋を配置し・組み立てるための配筋が必要です。

しかし、数十メートルも掘削を行う場所打ち杭では、実際に地面深くまで潜って鉄筋を配置していくのは難しいので、あらかじめ地上で必要な鉄筋を組み立てておく必要があるのです。

 

鉄筋かごの構成

鉄筋かごは主筋や帯筋、補強リング、スペーサーなどの部位から構成されています。

それぞれどのような役割をもっているかをみていきましょう。

 

構成①:主筋・帯筋

主筋・帯筋は鉄筋かごを構成する主な鉄筋です。

鉄筋かごは横から見ると、かごのような格子状をしていますが、縦のラインになるのが主筋、横のラインになるのが帯筋です。

主筋は主要な鉄筋として構造物の荷重を負担します。

帯筋は主筋同士をつなぎ合わせる役割とともに、地震のときに発生するせん断力に抵抗する効果ももっています。

鉄筋かごは複数の主筋の周りを円形の帯筋が囲む形で組み立てられます。

主筋と帯筋の組み立ては、形状保持のため鉄線での結束によって行われ、溶接は使用されません。

また、主筋の本数が多いとコンクリートが流れにくくなるため、複数の主筋を束ねて配置する場合があります。

目安として、主筋同士の間隔が100mm以下になってしまうときは主筋を束にすることを検討するほうがいいでしょう。

 

構成②:補強リング

鉄筋かごの接続部に使用されるのが補強リングです。

場所打ち杭は地中深くまで建てられるため、鉄筋かごもかなりの長さになるのが普通です。

そのため、通常、一体化した鉄筋で作られることはなく、いくつかの鉄筋かごを作った上でそれらをつなぎ合わせて所定の長さにします。

このとき、帯筋の継ぎ目部分にはフレア溶接が使用されますが、それだけでは鉄筋かごの形状が崩れてしまう可能性があります。

そこで取り付けられるのが補強リングです。

補強リングはつなぎ目の帯筋を覆うような形状をしており、主筋に溶接して留められます。

 

構成③:スペーサー

スペーサーは鉄筋かごが適切な“かぶり”を保持できるよう取り付けられます。

かぶりとは、鉄筋コンクリートにおいて、表面に鉄筋が出てこないように設けられる間隔です。

鉄筋コンクリートは鉄筋にコンクリートを流し込んで作られるものですが、このとき、鉄筋が表面に出ていると外気や天候の影響によって錆が発生し、劣化してしまう恐れがあります。

そのため、コンクリート表面から中の鉄筋までには一定の距離を確保しておかなければなりません。

これがかぶりと呼ばれるもので、一般には、コンクリート表面から鉄筋までの最小距離を意味します。

スペーサーは側面のかぶりを保持するためのもので、コンクリート製や鋼製、プラスチック製など様々な種類があります。

コンクリート製はサイコロ状、鋼製は逆V字状をしており、側面の鉄筋に使用されるスペーサーは、真ん中に穴の開いた円型に近い形状をしているためドーナツと呼ばれます。

ドーナツは中心に開いた穴を鉄筋にはめ込むとかぶりを確保できるようになっています。

軽くて使いやすいことから広く普及しており、鉄筋かごのスペーサーとしても多く使用されています。

 

鉄筋かごや補強リングの製造は高い技術力と知識が必要

鉄筋かごの組み立てや補強リングなど部材の製造には高い精度や技術が必要とされます。

何十メートルにもなる鉄筋かごであっても、途中のゆがみや強度不足などは許されません。

所定の長さで形状を保持したまま、継ぎ目の強度や必要なかぶりを確保するには、鉄筋かご自体の組み立て技術はもちろん、補強リングなどの部材も狂いなく、きちんとした精度で作られたものを使用する必要があります。

そのため、鉄筋かごや補強リング等の部品製造には、適切な機械・工具等の選定はもちろん、それらを正確に使用して加工できる高い技術力と知識が求められるのです。

 

まとめ

現場で造成される場所打ち杭は作るのに時間はかかるものの、既成杭よりも支持力が大きく、コストを抑えることも可能です。

鉄筋かごは、場所打ち杭を配筋するための重要な部位で、組み立てや補強リングなどの部品製造には高い技術力と確かな知識が必要です。

弊社では鉄筋かごの製造において多数のノウハウと実績があります。

場所打ち杭や鉄筋かごについて詳細を聞きたい方や依頼されたい方、コストダウンを考えておられる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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