HOMEPick Up鉄板の曲げ加工とは?加工方法別に徹底解説

鉄板の曲げ加工とは?加工方法別に徹底解説

鉄板はいろいろな方法でさまざまなものに加工されていますが、その際に曲げ加工が必要になるケースは多いでしょう。

では、鉄板の曲げ加工とはどのようなものなのか、どんな曲げ方があるのかなどを紹介していきます。

 

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鉄板の種類

鉄板とは言っても、その素材は1種類だけではありません。

鉄板にはいろいろな種類があり、種類によって特徴が異なっているのです。

そこで鉄板の種類やそれらの特徴について見ていきたいと思います。

 

種類①:一般構造用圧延鋼材(SS材)

一般的に鉄板と言うと、SS材と呼ばれているものを指します。

SS材とは一般構造用圧延鋼材と言われているもので、価格が安くて入手しやすいという特徴があります。

しかも、切断や曲げ、溶接や抜きなどの加工を行いやすいという大きなメリットを持ちます。

そのため、汎用性は高くなっているのですが、強度や硬度がそれほど高くはありません。

焼き入れをできませんし、錆びやすいことから風雨にさらされるような場所で使用する製品には向いていない材質と言えるでしょう。

 

種類②:機械構造用炭素鋼鋼材(SC材)

一般構造用圧延鋼材ほどではありませんが、SC材という種類の鉄板もよく使われています。

SC材は機械構造用炭素鋼鋼材と言われている素材であり、その種類はたくさん存在しています。

例えばS45CやS50Cなどがあります。

S45Cは錆びやすいので表面処理が必要になりますが、熱処理を行うことができることや、汎用性が高くて加工しやすいというメリットを持っています。

S50Cはとても強度があり、耐摩耗性にも優れています。

 

鉄板の曲げ特性

鉄板は比較的価格が安くて購入しやすい素材というだけではなく、曲げ加工が行いやすい素材でもあります。

では、なぜ鉄板は曲げ加工がしやすいのかを確認してみましょう。

 

特性①:曲げ加工に適した硬度や弾性を持つ

鉄板が曲げ加工に適している理由は、曲げるのに適した硬度を持っているからです。

硬すぎても軟らかすぎても曲げにくいのですが、鉄板はちょうどよい硬度なのです。

さらに、曲げ加工に適した弾性を持っていることも、曲げやすい理由となっています。

 

特性②:多種多様な表面処理(メッキ処理)が可能

鉄板は錆びやすいというデメリットを持つ素材なので、錆びの発生を防ぐために炭素の量を増やしてから使用されています。

それでもステンレスやアルミに比べると、やはり鉄は錆びやいため、加工後に表面処理を行うことが多いです。

この表面処理を行いやすいことが鉄の特長となっています。

メッキや塗装などといろいろな種類の表面処理がありますが、大半の表面処理が可能になっていることが鉄板のメリットです。

 

鉄板の曲げ加工方法

鉄板の曲げ加工を行うには、ベンダーブレーキと呼ばれている機械を使用するのが一般的です。

ベンダーにもいろいろな種類があり、加工方法によってそれらを使い分ける必要があります。

加工方法も複数あるので、それらを確認してみたいと思います。

 

方法①:ベンダー曲げ

最も一般的な曲げ方が、ベンダー曲げと呼ばれている方法です。

ベンダーブレーキという機械を使用することで、L字曲げやV字曲げといった基本的な曲げ加工だけではなく、Z字曲げなども行うことが可能です。

多種多様な曲げ加工に適している方法ですが、ロール曲げを行うのにはあまり適していません。

 

方法②:ロール曲げ

鉄板はL字やV字に加工されることが多いですが、タンクなどの製造を行う場合には、円形に曲げる必要が出てきます。

鉄板を円形に曲げる方法をロール曲げと言いますが、このロール曲げを行う場合にはロールベンダーという機械を使用して加工を行います。

ロールベンダーには3本ロールや4本ロールなどの種類があります。

ロールの本数によってそのメリットやデメリットが異なるので、その曲げ加工に最適な機械を使いましょう。

 

方法③:線状加熱加工

ベンダー曲げやロール曲げ以外にも、熱を加えて曲げる方法があります。

それは線状加熱加工という方法です。

まず鉄板を火であぶり、膨張したら一気に冷やすことで鉄板を伸縮させて曲げるという手順となります。

主に大きな鉄板を曲げるときに使用されている方法です。

 

鉄板の曲げ加工を実施するときの注意点

鉄板の曲げ加工を行う場合に、注意しなければいけない点がいくつかあります。

どのような点に注意が必要なのかを確認してみましょう。

 

注意点①:鉄板の材料と寸法を把握する

鉄板には前述したように、いろいろな種類があります。

SS材を使用しなければいけないのか、SC材を使用しなければいけないのかなど、必ず 鉄板の種類を確認しておきましょう。

ほかにも、曲げ加工をする際に重要なのが寸法です。

事前に図面を確認し、鉄板の寸法を把握しておかなければいけません。

 

注意点②:加工機械・加工方法を把握する

前述したように、鉄板をL字やV字などに曲げるのであればベンダーブレーキという機械を使い、ロール曲げが必要なのであればロールベンダーを使うのが一般的というように、加工方法に適切な機械を使って曲げ加工を行わなければいけません。

このように、ベンダー曲げやロール曲げなどの加工方法を把握し、その加工に合った機械を把握することが必要です。

そのためは、作業工程や加工方法の確認が必須です。

 

まとめ

鉄板の曲げ加工にはどのような方法があるのかを見てきましたが、加工を行う機械にも、加工の方法にも複数の種類があります。

また、鉄板の種類も1つだけではないので、材料に合った適切な方法と、その方法に合った機械の選択がとても大切になります。

もちろん加工の技術や経験も必要不可欠なので、曲げ加工に関して何か悩みがある、加工を行うのが難しいなどという場合は、当社へ遠慮なくお問い合わせください。

 

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