HOMEPick Up洋上風力発電のメリット・デメリットとは?陸上風力発電との違いを詳しく解説

洋上風力発電のメリット・デメリットとは?陸上風力発電との違いを詳しく解説

洋上風力発電のメリット・デメリットとは?陸上風力発電との違いを詳しく解説

洋上風力発電は、風力発電の一種で風車を洋上に設置する発電方式で、国土を海に囲まれた日本にとっても注目の再生可能エネルギーです。

洋上風力発電の開発と普及が進めば、日本のエネルギー供給には大きなメリットがあるとみられる一方、陸上風力発電とは異なる洋上風力発電ならではのデメリットももっています。

この記事では、洋上風力発電のメリット・デメリットについて紹介します。

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洋上風力発電とは

洋上風力発電とは、海上や港湾内などに風車を設置するタイプの風力発電です。

基本的な発電の仕組みは通常の風力発電と変わりませんが、作った電気を陸上の送電網に送るため、風車から陸地まで海底電力ケーブルを敷設しなければならないのが陸上風力発電との違いです。

基礎部分を海底に固定する着床式と浮体構造物の上に風車を置く浮体式の2種類があり、現在は着床式が主流になっていますが、今後は浮体式の普及も期待されています。

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洋上風力発電のメリット

洋上風力発電には、陸上風力発電と比べて、以下の4つのメリットがあります。

  1. 風況が良く発電が安定している。
  2. 大型風車の導入が容易にできる。
  3. 騒音や景観問題が発生しにくい。
  4. 日本の国土に合った発電方式である。

メリット①:風況が良く発電が安定

1つ目のメリットは、洋上は陸上と比べて風況の良い場所が多く、安定した発電を行えることです。

風況とは、風速や風向、乱流強度など、その場所における風の性質を表す言葉で、風力発電では発電量や採算性を左右する重要なポイントです。

発電に適しているのは年間平均風速が6m/s以上の場所とされていますが、陸上では十分な風況の場所が限られていたり、安定して風が吹かなかったりといった問題があります。

海上は陸上と比べて強い風が持続的に吹いている場所が多く、風の乱れも少ないため、風況特性が良好で発電に適しています。

 

メリット②:大型風車の導入が容易

2つ目のメリットは、洋上風力発電では、陸上に比べて大型の風車が設置可能なことです。

洋上では周囲に他の構造物がないため、敷地の大きさや道路の広さといった制約が存在せず、発電量の大きな大型風車が容易に導入可能です。

陸上では輸送の関係から最大でも3メガワット程度の風車が限界といわれていますが、洋上風力発電では、8メガワット以上が主流となっており、陸上よりも多くの電気を生み出せます。

 

メリット③:騒音や景観問題が発生しにくい

3つ目のメリットは、騒音や景観問題を起こしにくいことです。

風力発電のタービンから発生する騒音は一般的に105dBといわれ、これは芝刈り機と同程度です。

陸上風力発電では騒音問題を引き起こさないよう、付近の住宅地から十分に距離をおく必要があり、設置場所を制約する要因の1つにもなっています。

しかし、周囲に民家などがない洋上風力発電では、基本的に騒音問題を気にする必要がありません。

また、陸上では周囲の環境によって、自然や景観の破壊が問題になる場合もあります。

陸地から離れた海上に設置する洋上風力発電なら、騒音や景観問題も起こりにくく、影響を最小限に抑えられます。

 

メリット④:日本の国土に合った発電方式

洋上風力発電は、長い海岸線を有する日本にとって優位性の高い発電方式といえます。

日本は国土面積も狭いため、陸上では風力発電を設置できる場所が限られて頭打ちになりやすいのですが、洋上であれば約43万㎢の広大な領海を有効に活用できます。

同じ島国であるイギリスでは洋上風力発電の開発・投資が盛んで、四方を海に囲まれた日本も同様に高いポテンシャルをもっていると考えられます。

 

洋上風力発電のデメリット

多くのメリットをもつ洋上風力発電ですが、コスト面ではデメリットも抱えています。

  1. 陸上よりも建設費用が高い。
  2. 維持管理にコストと手間がかかる。
  3. 送電設備の設置が必要。

デメリット①:陸上よりも建設費用が高い

1つ目のデメリットは陸上よりも建設費用が高くなることです。

洋上風力発電では、海上に風車を輸送して設置する必要から、陸上に比べると工事費用が高額になる傾向があります。

特に手間がかかるのが基礎部分で、着床式と浮体式のいずれにしても、陸上よりは難易度が高くなります。

また、洋上風力発電では大型の風車を導入するケースが多いのも、工事費を引き上げる一因になっています。

 

デメリット②:維持管理にコストと手間がかかる

2つ目のデメリットは維持管理にコストと手間がかかる点です。

海上では塩害や強風の影響を受けるため、陸上よりもメンテナンスに手間がかかり、その分、費用も高額になります。

また、保守点検の際には、風車まで船舶で移動しなければならず、海面の状況によっては風車に乗り移れない場合もあるなど、作業効率が良くない点も問題といえます。

 

デメリット③:送電設備の設置が必要

3つ目のデメリットは、発電した電気を陸地の電力系統へ送るための送電設備が必要なことです。

洋上風力発電では、風車とセットで海底送電ケーブル洋上変電設備も設置しなければならず、送電設備の建設と維持管理コストも必要になります。

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まとめ

今回は、洋上風力発電のメリット・デメリットについて解説しました。

洋上風力発電には、発電に適した風況で、大型の風車の設置もでき、騒音や景観問題が発生しにくいなど、陸上風力発電で起きる多くの問題を解決できるメリットがあります。

一方で、陸上よりも多くのコストがかかる点はデメリットです。

洋上風力発電の導入は、これらを比較した上で環境への影響や経済性を考慮して決定する必要があるでしょう。

もっと洋上風力発電について理解を深めたいという場合は、気軽に当社へお問い合わせください。

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