HOMEPick Up治工具・治具製作とは?材質やポイントを徹底解説

治工具・治具製作とは?材質やポイントを徹底解説

治工具・治具製作とは?材質やポイントを徹底解説

製品の加工や組み立ての際に用いる「治具(ジグ)」は、作業位置の指示や誘導に用いられ、作業効率や品質の安定・向上に役立ちます

治具の種類は用途によってさまざま。

また、治具の製作を依頼するにも依頼先をどのような基準で選定すべきか、治具製作に必要な要件・仕様は何かがわからないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、そもそも治工具とは何か、治具製作のメリットや治具製作を依頼する流れをまとめました。

治具製作の依頼にお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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治工具・治具製作とは?

治工具とは「治具」と「工具」を掛け合わせた言葉です。

治具は、英語の「jig(工具の位置合わせという意味)」に由来します。

要するに、治具は当て字から誕生していたのです。

治具は、製品の加工や組み立ての際、部品や工具の位置合わせに加えて、工作物側の位置決め・締め付け固定などをするために用いる器具の総称です。

治具と工具を合わせて治工具と呼びます。

治工具はものづくりの場面において欠かせない器具の1つで、後述する作業時間の短縮や品質の安定化などに貢献するのが大きなメリットです。

治具の製作は、既製品を購入するようなものではなく、オーダーメードが一般的。

各社の製造工程・生産ラインに合わせて、必要な要件を抽出して製作会社に依頼します。

 

治具製作のメリット

治具製作によって得られるメリットは、大きく分けて以下の3点です。

  1. 加工時間の短縮
  2. 安定した品質
  3. 作業の簡易化

 

メリット①:加工時間の短縮

製造工程などに治具を導入すると、加工時間を短縮できます。

例えば、製品や部品の品質検査において、検査用の治具があれば、セットするだけで合否判定が可能です。

ノギスやマイクロメーターなどで1つずつ手にとって検査するより、検査時間は格段に短縮できるでしょう。

その他にも、穴あけ加工の中心位置を決める際には、治具で効率よく作業を進められます。

部品を大量生産する場面を想定しても、マンパワーで作業するより機械に任せたほうが効率よく作業できるのは、火を見るより明らかです。

加工時間を短縮できる点は、治具導入のメリットの1つでしょう。

 

メリット②:安定した品質

加工や製造において、安定した品質を確保できる点も、治具導入のメリットの1つです。

治具を用いて加工の位置決めをすれば、毎回同じ位置に加工物を設置できます。

その結果、加工精度のばらつきを抑えられ、品質の安定が実現するのです。

先ほど例に挙げたノギスやマイクロメーターでの測定は、作業者のスキルや慣れによって精度にバラツキが出る可能性も。

また、マンパワーに任せた製造・加工では、時間が経つにつれて集中力や体力などが落ち、安定した品質を担保するのは困難といわざるを得ません。

治具の導入によって、作業者に依存せず、安定した品質の加工・製造ができるのがメリットです。

 

メリット③:作業の簡易化

作業の簡略化にもつながるのは、治具導入ならではのメリットといえます。

治具を使えば加工物の位置決めを簡単に行えるだけではなく、作業者のスキルに依存せず、正確に加工が可能です。

作業の簡易化は、材料のロスを減らせるという意味でも効果が期待できます。

さらに、治具を導入すると技術者を育成する手間・期間も圧縮可能。

人的リソースも効率よく・柔軟に活用できるようになるのです。

治具を導入すれば、作業の効率化に限らず、さまざまな効果・メリットを得られるでしょう。

 

治工具・治具製作の流れ

治具の製作は、使用する用途によって形や機能はさまざまです。

一般的に、治具製作の流れは以下の手順で進められます。

  1. 打ち合わせ
  2. 概要設計
  3. 詳細設計
  4. 部品製作
  5. 組み立て
  6. 納品

ご自身の要望・仕様が100%反映された治具を製作するために、製作の手順を理解して、依頼に必要な準備をしておきましょう。

 

流れ①:打ち合わせ

まずは製作会社との打ち合わせを行います。

  • 治具の使用目的
  • 対象の部品や品物のデータ(図面・実物)
  • 概略の構想
  • 要求する精度
  • 機能要件

これらを用意した上で打ち合わせに臨むと、スムーズに話が進むでしょう。

事前の打ち合わせは、設計書の仕上がりや治具の完成度を大きく左右するとても大切なプロセスです。

設計担当者を交えたヒアリング・要望の確認をして、聴取した内容を踏まえて製作会社が概要設計をします。

 

流れ②:概要設計

打ち合わせの内容を踏まえて概要設計に入り、製作する治具の見積もりを提出するのが次のプロセスです。

概要設計として、おもに以下の内容を提示・作成します。

  • 治具の構造や制御等を検討した仕様書の作成
  • 3Dモデルによる治具の概略
  • 治具の材質や製作のために必要な部品の提示

見積もりに含まれる内容には、以下の内容を含むのが一般的です。

  • 仕様書の制作費
  • パーツ・材料の調達費
  • 設計費

内容を確認して納得できた場合に、正式な発注と詳細な設計に関する説明に移ります。

 

流れ③:詳細設計

発注を受け、実際に製作する治具の詳細な設計図面の作成に移るのが次なるプロセスです。

  • 技術的に設計し、加工する部品の精度を担保する
  • CADなどを用い、治具を設計する
  • 製図をおこして、治具の仕様や電気設計などを明確にする
  • 治具の材質や購入部品を決定して提示する

上記のような詳細を設計し、詳細設計を踏まえて再度打ち合わせします。

求める仕様との整合性を確認し、問題なければ治具製作の着手へ。

 

流れ④:部品製作

詳細設計をもとに、部品の製作に入ります。

詳細設計が了承されたら、いよいよ製造に入ります。

治具の製作は、原材料を加工して部品を1 つずつ組み上げて作り上げるもの。複雑な治具であるほど、製作には日数がかかります。

部品の購入・調達から行うものもあるため、完成までの期間は打ち合わせの段階ですり合わせておきましょう。

治具を構成する部品の製作が完了すると、組み立て作業に移ります。

【関連記事】金属加工の方法を3種類に分けて解説!機械加工・熱処理加工・表面処理

 

流れ⑤:組み立て

部品の製作が完了したら、いよいよ全体の組み立てです。

精度の高さが求められる治具の場合も、完成までに日数がかかるため注意が必要です。

治具の組み立てが完了したら、治具の試験を実施して品質を確認します。

 

流れ⑥:納品

完成した治具に対し、依頼者の要望・仕様を適える仕上がりになっているか、納品前の最終チェックを実施。

納品の日程を調整した上で、依頼者の工場などに納品します。

治具を備え付ける際には、操作や取り扱いの説明も実施し、納品は完了です。

納品後に関して何か不具合などが起こった際は、製作会社に問い合わせて対応方法を仰ぎましょう。

 

三重県で治具製作を依頼するなら南条製作所

南条製作所では、最新鋭の大型機械などを保有し、金属加工のさまざまなニーズに対応しています。

金属の種別を問わず、多種多様な材質の精密加工を検討されている方におすすめです。

素材の仕入れから製品化まで一貫生産体制で対応しているため、高品質な製品を短納期・低コストで実現します。

弊社の設備に関しては、設備紹介ページからご覧ください。

治具製作をはじめとした各種製作業務に関して、豊富な設備環境と長年培ったノウハウで、高品質な製品を製作いたします。

 

まとめ

製品の加工における、作業位置の指示や誘導に用いられる治具は、作業効率の改善・品質の安定・作業の簡易化につながるため、工場などの生産ラインには欠かせません

治具に求められる仕様は企業によってさまざまで、機能要件に沿った治具の製作が必要不可欠です。

治具の製作を依頼するにあたっては、事前に仕様を明確にし、打ち合わせの段階で齟齬が起きないようにするのが非常に重要。

精度の高さを要する治具であるほど製作に時間がかかり、製作会社の技術力が問われます。

治具製作を依頼する際は、製作事例を確認するなどして製作会社の技術力を確認し、機能要件も明確にしておきましょう。

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