HOMEPick Up5面加工機とは?5軸加工機との違いやメリット・デメリットも解説

5面加工機とは?5軸加工機との違いやメリット・デメリットも解説

5面加工機という名称を聞いたことはあるものの、「具体的にどういった機械なのか」、「どんなメリット・デメリットがありのか」を知らない方は多いのではないでしょうか。

5面加工機は、加工物の5面を一度の工程で進められる加工機のことです。

上手く活用できれば、素早く高精度な加工を行えます。

この記事では、5面加工機のメリット・デメリット、5軸加工機との違いについてご紹介します。

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5面加工機とは

5面加工機とは、テーブルと密着している面以外の5面を加工できる加工機です。

前方や後方、左右、上から器具で加工できます。

大きな加工物でも、少ない工程で高精度で加工を進められることが強みです。

 

5面加工機のメリット

5面加工機の優れている点を2つお伝えします。

  1. 段取りが少ない
  2. 加工の精度が高い

 

メリット①:段取りが少ない

5面加工機の優れている点1つ目は、加工の段取りが少ないことです。

5面加工機を活用すると、5つの面を一度の工程で加工できます。

機械の動きを止めたり、加工物を設置し直したりする必要はありません。

もし、テーブルに接している面も加工したいとなると、一度手作業で加工物の向きを変える必要があります。

 

メリット②:加工の精度が高い

5面加工機の優れている点2つ目は、加工の精度が高いことです。

工作機械にはさまざまな種類がありますが、大物を加工可能で、かつ高精度で加工できる機械は限られます。

5面加工機ならば、大きな加工物でも精密な加工が可能です。

たとえば加工物が大きすぎると、斜めに置いて器具を当てたり、横向きに設置して加工したりすることは困難でしょう。

そのような加工が難しい大物に的確に器具を当てる手段として、5面加工機が重宝されています。

 

5面加工機のデメリット

5面加工機のデメリットは、コストがかかることです。

 

デメリット:コストがかかる

5面加工機は、5つの面を1回の工程で加工できる便利な加工機です。

手作業を必要とする工程が少なかったり、機械の運転のみで加工が完結したりするため、導入済みなら効率よく加工を進められます。

ただ、5面加工機は大型の加工機であるため、導入にはコストがかかります。

導入のコストとランニングコストを天秤にかけて考えることが大切です。

頻繁に大きな素材を加工する機会があったり、5面を加工したい素材が多かったりする場合は、5面加工機を活用することで、むしろコストを削減できる場合もあります。

また、5面加工機の導入により削減できる人件費も計算に含めましょう。

 

5面加工機と5軸加工機の違い

5面加工機と似た名称の加工機に「5軸加工機」という機械があります。

似た性能の機械でもあるため、細かな違いを知らない方も多いのではないでしょうか。

5軸加工機がどのような機械であるかを説明しつつ、それぞれの違いを解説します。

 

5軸加工機とは

そもそも5軸加工機とは、どのような機械でしょうか。

5軸加工機とは切削加工機械の一種であり、5軸マシニングセンタの名称でも知られています。

一般的なマシニングセンタの軸は3つですが、5軸加工機には回転軸と傾斜軸も搭載されています。

そのため、テーブルを自由自在に動かしながら、あらゆる方向から加工可能です。

工程の短さや精度の高さ、効率の高さが5軸加工機の強みです。

【関連記事】五軸加工機とは?メリット・種類・注意点〜三軸加工機との違いも解説〜

 

門形マシニングセンタと切削加工

5面加工機の多くは門型マシニングセンタであるのに対して、5軸加工機は切削加工のために用いられる加工機を指します。

ただ、5面加工機が5軸加工機を兼ねている場合もあるので注意が必要です。

「X軸、Y軸、Z軸の3軸に加えて、回転軸、傾斜軸の合計5軸を搭載している5面加工機」や、「曲面加工用を搭載している5面加工機」は、「5軸加工機の場合がある」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

また、5面加工機と5軸加工機では加工手段としての使い道が異なります。

5面加工機は大物の加工に適しています。

5軸加工機は、主に工作物のあらゆる面に細かな加工を施したい場合に重宝されています。

 

TCP(工具先端点制御)の有無

5面加工機と5軸加工機の違いに、TCP(工具先端点制御)の有無があります。

5面加工機にTCPはありませんが、5軸加工機はTCPを搭載しています。

TCPとは、指令点を直線的に動作させる機能のことです。

NC DATAにより、加工機をより精密に動かせます。

5軸加工機と5面加工機の精度を比較すると、TCPを搭載している5軸加工機に軍配が上がります。

工作物や加工方法に応じて、それぞれを的確に使い分けることが重要です。

 

まとめ

今回は5面加工機について、5軸加工機との違いを交えながらご紹介しました。

5面加工機は、大きな加工物でも少ないステップで加工できる加工機です。

効率的に活用できれば、作業工程を大幅にカットできます。

工作の環境に何か不満を感じているようでしたら、5面加工機の利用が解決の糸口になるかもしれません。

これをきっかけに、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

もっと5面加工機を深く理解したい、ご相談したいという場合は、気軽に当社へお問い合わせください。

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